有限会社は今後どうすればいいのか
1.有限会社はどうすればいいのか
5月の新会社法の施行により、有限会社法は廃止されます。そこで、既存の有限会社は、特例有限会社として存続する、株式会社へ移行という2つの方法のどちらかを選ぶことになります。では、2つの方法をもう少し詳しく見ていきましょう。
2.特例有限会社として存続する
既存の有限会社が、何の手続きもせず新会社法施行を迎え、商号中に「有限会社」の文字を用いて存続した場合、このような有限会社は「特例有限会社」と呼ばれることになります。
特例有限会社の注意点として、有限会社でいう持分は、整備法により株式とみなされるのですが、特例有限会社の株式には譲渡制限があるものとされ、これと異なる定款の定めはできないとされています。
株式の譲渡制限とは、取締役会の承認がなければ、株主はその所有している株式を譲渡することができないこととする定めです。
そのほか、特例有限会社は、取締役会や、会計参与など、取締役と監査役以外の期間を設置することができなかったり、株式交換や、株式移転をすることができなかったり、吸収合併や吸収分割の際の存続会社になれないなどの制限があります。
特例有限会社のメリットと考えられる点として資本金の額が5億円以上または、負債の合計額が200億円以上の「大会社」に該当する場合であっても、会計監査人の設置を強制されないことや、取締役、監査役には任期がないこと、また決算公告義務がないなどの点があります。
3.特例有限会社として存続するには
基本的には、何もせずに新会社法施行日を迎えた場合、特例有限会社となるのですが、その後に備えて、いくつか準備しておくべきことがあります。
定款の整備
従前の有限会社法でも規定されていたことですが、特例有限会社は、株主や債権者から、営業時間内に定款の閲覧又は謄写の請求があった場合、これに応じる必要があります。
ここで、特例有限会社の定款は新会社法施行に伴い整備法により、既存の定款の文言の読み替えがなされたり、一定の定めがあるものとしてみなされるため、その「整備法の適用後の定款」を開示しなければ意味がありません。
したがって、少なくとも株主や債権者からの開示請求に応じられるよう、自社の定款を整備しておく必要があると言えます。
具体的な整備方法としては、株主総会に付議しないのであれば、新会社法施行後に整備法に基づいて、定款を改定しておけばいいでしょう。
株主総会の決議を得る場合は、当該決議が行われる前に株主や債権者から閲覧請求がなされた場合に備えて、みなし規定の説明書面を準備しておくべきです。
登記申請
現在定款に次の定めがあり、普通の株式と比べてさまざまな権利が優先されていたり、制限されていたりする、いわゆる種類株式とみなされる場合には、新会社法施行の日から6ヶ月以内に自ら登記をする必要があります。
・社員総会の議決権の数又は議決権を行使できる事項についての定め
・剰余金の配当についての定め
・残余財産の分配についての定め
ちなみに、この登記申請には定款を添付する必要があります。
4.株式会社へ移行する
既存の有限会社を株式会社へ移行するためには、定款を変更して商号に「株式会社」という文字を用いるための、商号変更登記をすることが必要です。
また、それと同時に当該有限会社についての解散の登記と、商号変更後の株式会社の設立登記をする必要があり、これらの登記をすることによって、定款変更の効力が生じることになります。
株式会社へ移行すると、新会社法の規定が全面的に適用されることになります。移行することのメリットとしては、新会社法で生じたメリットを受けられることや対外的信用が高くなるという点が大きいでしょう。
5.株式会社に移行する場合にするべきこと
株主総会の特別決議
商号を変更するためには、定款変更の手続きが必要であり、それには株主総会の特別決議を経る必要があります。
ここで注意しなければならないのが、特例有限会社の場合、株主総会の特別決議の可決要件は「総株主の半数以上であって、当該株主の議決権の4分の3以上の賛成」つまり、従前の有限会社における社員総会の特別決議要件と同じとなる点です。
登記手続
特例有限会社の解散登記、商号変更後の株式会社の設立登記をする必要があります。注意点は、会社成立の年月日、特例有限会社の商号、商号を変更した旨、その変更年月日も登記する必要があることなどです。また、登記申請には定款を添付する必要があります。
また、特例有限会社の解散登記と、商号変更後の株式会社の設立登記は同時に行う必要があり、
これらの登記は、株主総会の決議をしてから本店所在地については2週間、支店所在地については3週間以内に登記をする必要があります。
また、登録免許税として、解散登記と設立登記それぞれ3万円ずつで合計6万円かかります。

